155zagato story 008
 155Z その詳細2
T/S TI-Zはすべて95年式のスポーツモデルをベースとしています。シャシ・ボディおよび内装は所謂スポルティバモデルに準じますが、少々異なるところがあります。
日本使用のスポルティバとの違いは主に以下の点
エンジンマネジメントが2.10.3
バランサシャフトプーリ周辺
フロントローターのハット高さ
サイドシル形状
ラジエータ温度センサ、エキゾーストフランジ等

右の写真にベース車両の面影を見ることが・・・。
ちなみに、この車の内装にはウッドパネルは貼られていません。

流石に正規ディラーもの、日本輸出仕様車両をベースにしていたのでは車両価格はとんでもないものになります。200〜250万位で車両を調達しないと商売になりません。SZ(ES-30)の頃のようにホワイトボディで155を購入することも、当時のZAGATOでは不可能です。メーターやバイザーに貼られた後付の排気温度センサ用のコーションラベルが並行車っぽさを実感させてくれます。
車両の並行輸入等は当時世田谷に遭ったI.S.O.社が行っていました。ZAGATO JAPANの代理店でした。

先にも述べましたが、国内には導入されなかった95年型のスポルティバですから、国産部品の流用には注意が必要です。一番大きな違いはエンジンマネジメントはBOCSH 2.10.3であるということ。、ラジエータファンのヒューズが50Aになっています。(ちなみに日本使用のスポルティバのマネジメントは2.10.4、ファンのヒューズは40Aです)
マネジメントのほか、若干ですがT/S TI-Zは日本仕様のスポルティバとボディ・フレームワークが異なります。ザガートのキットを組むなら、スーパーや、8Vをベースとした方がしっくりくる、と言う話も聞きます。また、先に述べたローターの高さの違いは数ミリですのでキャリパーのスライドピンで吸収できる程度です。しかしながら、一部の部品によっては国内に在庫の無い本国使用の部品が出てくる可能性もあります。部品の取り寄せには注意が必要です。
 
T/S TI-Zを主力販売商品としていたS&S社は、AT仕様車の他に155T/S TI-Z corsaというグレードを企画。DTM typeのリヤスポ、触媒交換型のサイレンサ、エアクリーナにコンピュータの変更をステージ�Tとし、さらにエキマニ、タワーバー、ブレンボ製のブレーキロータ・パッドの変更を追加したステージ�Uをラインナップ。
最終的にこのcorsaというグレードで発売されたかどうかは不明。おそらくは190PSキットという形で、また、個々の特殊仕様として、一部の個体が市場へ投入されたと思います。
しかしながら、ノーマルの155 2.0Lを170PS、190PSまで出力を向上しようとした場合、かなり頑張らないと達成することは出来ないことは容易に想像することが出来ます。170PSと記載されているカタログを見ると、トルクが1.12倍に(19→21.3kg・m)。馬力・トルクとも最大発生回転数が大きく変わらないのに出力を向上させるには燃焼効率を高めるか、排気量を上げるかのいずれかです。
6500回転で170PSとかであれば、わからないでも無いですが。

一説によると、T/S TI-Zにおいても、1台ずつオーナーの希望にあわせて個別にチューニングプランを立てる予定だったとのこと。しかしながら、当時の状況ではオーダーを受けて車両をチューニングするようなことは出来なかったようです。だって、本国ではSZデザイン以外のZ社はもう存在していませんから。S&S社単独でどこまでの対応が出来たのか、最終的な結果が現在オーナーの手元にあるT/S TI-Zという形となって残っているのです。

96年より販売が開始されたTI-Zですが、どこで生産されていたかはなかなか情報を頂くことが出来ません。イタリア本国で確保していた工場に問題が無いのであれば、当然イタリアで組み上げて船積みをしていることでしょう。そして、日本以外の地域へも輸出される、と。

まぁ、問題があった場合は、日本国内にある関係会社の面子を守るため、何とか量産されたFRPパーツを使って国内でひっそり組み上げる、ことになるでしょう。

塗料やFRPの材質を分析すればこのあたりは明らかになるのですが、まぁそこまでしなくてもいいでしょう。
ちなみに右の写真は藤沢にあったS&S社の関連工場。車両の奥には大量のFRP製バンパーが確認できます。

まぁ、リペアパーツということで、真相は謎のままに。

←TI-Z(Q4)   T/S TI-Z→

量産にあたり、外装も一部改修されました。
Q4のタンク位置をベースに設計されていたリヤスポイラーのスカート部はT/Sのタンク位置にあわせて延長。それにあわせて縞出し補強をしています。
スカート下部の固定にはガソリンタンク固定バンドに付いているアンダーパネル取り付けナットを流用。

日本に導入されているスポルティバだと、年式によってはアンダーパネルが取り付けられていません。
ザガートタイプのエアロを組み込まれる方はご留意を。

なお、右の図面ではQ4−Zに取り付いているタイプになっています
このように、ある程度オーダーに対応することを前提としたT/S TI-Zではありましたが、結局は 「ごく標準的」な仕様で販売されオーナーに渡されることになりました。オーダー内容と、実際の車両の差異等、色々なトラブルがあったと聞きます。これらはZAGATO JAPANやSZオートモビルと、代理店間の対応による問題点が大きかったのでは、といわれております。

ベース車両として本国で不人気な赤い車両を安く、早く調達するためには内装仕様も選択をする余地はありません。結果として引っ張ってきた車両がハーフレザーシートだったり、レカロオプションだったり、といったところが実情では無いでしょうか。まぁ、このあたりは予想の域です。
4WDを期待して予約していた顧客が、T/Sへの変更を受け入れたかどうかは良くわかりません。しかしながら、予約分の車両と、各代理店への展示車両がロールアウトをしたのは96年の末ごろまでかかったという話を聞きます。

かくしてT/S TI-Zは販売されました。ちなみに、1995輸入車ガイドブックにはTI-Zが記載されていましたが、1996年版には乗っていません。さらには、巻末に記載されているザガートジャパンの連絡先は、03-から045-へ。とうとうS&Sエンジニアリングの電話番号に。

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